管理栄養士に聞く“肌の糖化”って何?改善するための食べ物や化粧品は?戻らないって本当?

管理栄養士に聞く“肌の糖化”って何?改善するための食べ物や化粧品は?戻らないって本当?

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「肌が糖化するとどうなるの?」
「糖化でくすんだ肌は元に戻せる?」

糖化によって肌トラブルが起こるしくみを、専門家に聞きました。
スキンケアや食事などの対策も詳しく解説していきます。

監修者

経歴

管理栄養士

1999年 東京家政学院短期大学 生活科学科 食物栄養学科 卒業 準学士
1999年 調剤薬局にて栄養カウンセリング
2001年 管理栄養士 取得
2005年 健康食品・化粧品の会社にて学術担当
2012年 株式会社 Luce 代表取締役

老化を招く「肌の糖化」とは?

医師(女性)

肌の糖化とはいわゆる「肌や体が焦げている」状態を指します。
食べ物が熱せられて焦げがつくのと同じことが体の中でも起こります。

具体的には…

  1. 過剰摂取した糖と体内のタンパク質や脂肪が結びつく
  2. AGEsという老化物質が生まれる

ということが起きている状態を「糖化」と呼びます。

糖化によって蓄積したAGEsは、細胞にダメージを与え、

  • たるみやしわ(肌の弾力の低下)
  • くすみやしみ(肌への色素沈着)

など、肌の老化現象を引き起こすと考えられます。

糖化で起こる肌トラブル① たるみやシワ

糖化の進行により、肌のハリを維持するコラーゲン・エラスチンの弾力性(伸縮性)が低下して、たるみやしわの原因になると考えられています。

糖化で起こる肌トラブル② くすみやシミ

糖化が起こると、肌の新陳代謝がスムーズに行われなくなります。すると、メラニン色素の排出が正常に行われなくなり、しみの発生につながると考えられています。

また、糖化によって生じるAGEsは黄褐色と言われています。そのため、AGEsが体内に蓄積すると肌の黄色味が強くなり、黄ぐすみが目立つようになります。

糖化がすすむ「日常に潜む原因」

医師(女性)

日常に潜む「糖化の原因」として、
・糖質や脂質の過剰摂取
・運動不足
・睡眠不足
・暴飲暴食や早食い
などが挙げられます。

糖化は、余分な糖質や脂質だけでなく、血糖値の急上昇や慢性的な高血糖によって促進されると言われています。

  • 甘いものやファストフードを頻繁に食べる人
  • メタボリックシンドロームの人
  • 運動習慣がない人

などは要注意です。

一度糖化した肌は戻らない!?

医師(女性)

糖化によって生じたAGEsは体の中に蓄積されます。
そのため、1度糖化した肌の再生は難しいケースが多いです。

糖化は加齢に伴って起こりやすくなります。
早い段階から糖化を予防する生活を送ると、10年、20年、30年後の若々しい肌の実現につながります。
できるところから対策を実践していけるといいですね。

肌の糖化を防ぐ「お助け化粧品&スキンケア」

スキンケア

医師(女性)

抗糖化作用が期待できる成分として
・ビタミンA
・ビタミンC
・ビタミンE
・カルノシン
・コウジ酸
・セイヨウオオバコ種子エキス 等
などが挙げられます。
これらの成分を含む化粧品でケアするのがおすすめです。

抗糖化をはじめ、美肌をサポートする成分として人気のビタミンCは、ビタミンBやグルタチオン等の成分を併用すると、より有効に働くと考えられていますよ。

食事で「肌の糖化を防ごう!」

医師(女性)

食事習慣を見直すことで、肌の糖化を予防することができます。
①低GIを意識した食事
②ゆっくり時間をかけて食べる
③調理法は「茹でる・蒸す」を選ぶ
④サプリを取り入れる
といったことを心がけましょう。

その① 「低GI」の食品を摂る

医師(女性)

食事による急激な血糖値の上昇を抑えると、肌の糖化も抑制できると考えられます。血糖値が上昇しにくいGI値の低い食品を摂るようにしましょう。

また、食物繊維が豊富な食品も、糖の吸収を緩やかにして、急激な血糖値の上昇を抑制してくれます。

糖化対策におすすめの食品

玄米、雑穀米、胚芽パン、マグロ、サバ、鮭、玉ネギ、キャベツ、トマト、ブロッコリー、ブロッコリースプラウト、小松菜、大根、インゲン、きのこ類、海藻類、緑茶、りんご、ミカン、レモン、酢 等

反対に、

  • 糖質や脂質を多く含むもの
  • 焦げているもの
  • 人工甘味料や清涼飲料水
  • ベーコンなどの加工食品 

は糖化を促進すると考えられています。できるだけ控えるようにしましょう。

おすすめのメニュー:大根とツナのサラダ

材料(2人分)

大根 3cm幅分
ツナ缶 1缶
ブロッコリースプラウト 1パック
大さじ2
醤油 小さじ1
ごま油 小さじ1
すりゴマ 小さじ1


【簡単】作り方の手順

  1. 大根を千切りにする
  2. 深めの容器に切った大根・ツナ・ブロッコリースプラウトを入れる
  3. ②の中に調味料を混ぜ合わせたものを入れて、さっくり和える

その② ゆっくり時間をかけて食べる

医師(女性)

ゆっくりよく噛んで食事を摂ると、満腹感を得るホルモン(レプチン)が分泌されて、脳がお腹いっぱいと認識することができます。
その結果、急激な血糖値の上昇を抑制できます。

食べる順番にも気を付けよう

医師(女性)

食事の際、最初に食物繊維を摂ることで、血糖値の上昇が緩やかになります。

  1. 野菜類、きのこ類などの食物繊維
  2. 魚類、肉類、大豆製品などのタンパク質
  3. ごはん、パン等の炭水化物
    の順番で食べるようにしましょう。

その③ 調理法は「茹でる・蒸す」がおすすめ

医師(女性)

コゲた食品には、AGEsが多く含まれると考えられています。
茹でる・蒸すという調理法は食品がコゲにくいので、AGEsが発生が抑えられますよ。

反対に、炒め物や揚げ物などの調理法はコゲ目がつきやすいので、控えた方がいいでしょう。

その④ サプリを取り入れる

医師(女性)

糖化対策には
・スルフォラファン
・α-リポ酸
・アミノ酸
などが含まれているサプリがおすすめです。

ただし、サプリは食べ物から摂取する栄養分の補助と考えて、頼り過ぎないようにしてください。

肌の糖化を防ぐための「3つの生活習慣」

医師(女性)

肌の糖化を防ぐためには
・食後に軽い運動を行う
・6時間以上の睡眠時間を確保する
・禁煙する
などの生活習慣の見直しも大切です。

① 食後に軽い運動を行う

医師(女性)

食後1時間以内の血糖値が上昇しているタイミングで、ウォーキング等の軽い有酸素運動を行いましょう。

適度な運動により筋肉量が増えると基礎代謝が向上するため、糖化予防が期待できます。また、運動することで糖がエネルギーとして消費されるので、体内の余分な糖も減少すると考えられます。

※ただし過度な運動を行うと、ストレスを感じて肌に悪影響を与える可能性があります。無理なくできる軽めの運動を、継続して行うのがおすすめです。

② 6時間以上の睡眠時間を確保する

医師(女性)

糖化によって肌が受けたダメージは、就寝中に修復されます。
毎日6時間以上の睡眠時間を確保するように心がけましょう。

良質な睡眠をとるために、寝る直前はスマホやパソコンを使用しないようにしましょう。
また、寝るときは部屋の照明を暗くしてください。

その③ 禁煙する

医師(女性)

たばこの煙はAGEsの増加につながると考えらえています。
喫煙本数を減らすことから始めて、最終的には禁煙をおすすめします。

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